prisoner_of_nightmareさん
人魚伝説における人魚の特徴というのは、大体下記の3つに絞れると
思います。
1.人魚は声を出す(歌を歌う、人語を話す)。
2.人魚は食べることができる(食べると不老不死になる場合もある)。
3.人魚は女性の姿をしている者が圧倒的に多い。
ジュゴンが人魚とされたのは、この3つがすべて当てはまったためです。
3については、ジャワなどでは漁師の間でジュゴンを獣姦の対象とする習慣
がありました。漁師の男たちが性的欲求を満たすために行っていたのです。
人魚が通常女性の姿をしているのも、これが原因と考えられました。
どのように歴史給付社会
また、南の海だけでなく北の海にもジュゴンの仲間は生息していました。
近代になってロシア人が食用として乱獲した結果、たったの27年で絶滅
させてしまったステラーカイギュウがそうです(ステラーカイギュウの説明は
下記リンク先参照)。10万年前の化石をみると、ステラーカイギュウは、
かつては日本沿岸からアメリカのカリフォルニア州あたりまで分布していた
そうです。それが近代になってコマンドル諸島(カムチャッカ半島の東)の
限られた地域(人跡未踏の地)にしか見られなかったのも、気候の変化も
あるかもしれませんが、人類と接触のある地域では乱獲されて絶滅した
ためでしょう。
クレーンは、ローマ、ジョージア州で落ちる
恐らく、こうした海牛目に属する生物種は古代から世界各地に多数生息
していたはずです。しかし、その性質が一般におとなしく、簡単に捕獲でき
て、しかも肉が食用になる上に美味であることから乱獲され、文明ができる
以前に殆どの種が人間によって絶滅されてしまったのだと考えられます。
肉が恐らく美味であること、太古の人類が常に飢えとの戦いをしていたこと
から、不老不死というという伝説が派生したのでしょう。また、漁に出るのが
主に男性で、恐らく遠隔の島などで漁をしたため、性的欲求を満たす行為
も行われていたことでしょう。こうした古代の人類の記憶が伝承に残って、
ジュゴンが生息� ��ていない地域でも人魚伝説という形で伝えられたのでは
ないでしょうか。人魚の声で魅了されて難破するという話も、絶滅させて
しまったことへの人間の罪悪感が、人魚による呪いという復讐の形をとって
伝承に反映されているためではないかという気がします。人魚姫が泡となって
消えるのも、絶滅=消滅を暗示しているのではないでしょうか。
夜のCAとは何か[
ステラーカイギュウ
追記:
西洋占星術の12星座の中に人魚に類似した姿をしているカプリコルヌス
(山羊座)があります。これは上半身がヤギで下半身が魚というもので、
ギリシア神話では神々の宴会中に怪物が現れたため、ヤギ頭の牧神が
ナイル川に飛び込んだところ、下半身だけが魚となったということになって
います。ヤギは遊牧民族の間では獣姦の対象となっていたため、上半身が
ヤギで下半身が魚というのは獣姦との関連がより強調された感じがします。
このエピソードでは、宴会によって食物としての人魚(海牛)を暗示しつつ、
牧神の水中での姿によって獣姦行為の対象としての人魚を象徴したもの
と捉えることもできます。
メソポタミア神話ではこれはエンキが鯉になった姿とされますが、エンキという
神が性と精子を象徴する存在でもあったということからも獣姦行為との関連
性を感じます。もちろんエンキが性と精子、豊穣を象徴するのは、魚が精子
を卵にかけることと多産による豊漁が直接的な原因とされていますが、エンキ
が同時に地底深くに閉じ込められたこと(黄泉の国の存在であることも暗示
している)で死後の世界との関わりをも持つ神であることを考えると、定説的
な解釈とは別に、絶滅したと考えられる海牛(人魚)とエンキに何らかの関係
があるのではないかとも思えてきます。神々に生命を与える存在でありながら、
同時に自身は黄泉の国に存在するというのは特� �な感じがします。
またエンキは淡水の神であることから、絶滅した海牛類の中には淡水の川や
湖などで生活する種もかつて存在していたのではないか考えられます。ドイツ
では人魚がライン川で歌いかける話があり、淡水、海水の両方にかつて海牛
たちが広範に生息していたことを暗示しているのではないでしょうか。
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